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うちわの配布問題について2014/10/10

久しぶりの更新で申し訳ありません。
蓮舫参議院議員が取り上げた、 松島大臣の「うちわ配布問題」について、よく聞かれますので、
私なりにまとめてみたいと思います。

私の知っている範囲では、
政治家が有権者に対する物品供与は禁止されていると解釈しています。
つまり、プレゼントをすることは禁止されているということです。
なぜなら、買収行為になるからです。
簡単に言えば、 ティッシュにチラシを入れて配布すれば、
政治家の場合は買収にあたるということです。

今回のうちわについて言えば、
ティッシュがNGなんですから、うちわも当然NGだろうというのが一般的な解釈です。
なので質疑ではアレを「うちわ」と認めないんです。

同じように蓮舫参議院議員も配布していたではないかという批判があります。
蓮舫陣営は当然この法律を分かっていますから、
配布したものは、丸い厚手のビラですが、
きちんと証紙(選挙期間中に配布しても良いというお墨付き)を貼って 配布していました。
ビラの形に制限はありませんし、
逆に証紙の枚数には制限がありますから、法に則った配布をしていたと思います。

では、「うちわ」でも「法定ビラ」でもないとなると、
国会報告(政治活動)のチラシかというと、
見る限りはそういう内容にもなっていませんよね。
ただの自己紹介です。
ではさらに、「名刺」であるとすると、
今度は、名刺は不特定多数への配布が禁じられています。
(過去に、名刺をポスティングした人は逮捕されています。)

・価値のあるものを無償で配布した(物品供与)
・選挙期間中でないのに自己PRの目的で名前の載ったものを配布した(事前運動)

物品供与と事前運動の両方が、 かなり濃厚ではないかというのが私の考えです。

しかし、最終的な判断は裁判所が決めることです。
国会での審議にそぐわないと言われれば確かにそうかもしれません。
個人的には、きちんと司法の場で結論を出して欲しいと思っています。
というか、司法で決着させてもらわないと困ります。

「うちわ」は無償配布しても物品供与にあたらないというのであれば、
おそらく多くの政治家はチラシをうちわ状の形に変えます。
その方が受け取ってもらえる確率も、家で身近に置いてもらえる確率も上がるからです。

また、「うちわ」は無償配布でもOKとなれば、
拡大解釈が広がる恐れがあります。
ティッシュも飴玉も10円玉も、無償配布OKとなってしまえば、
金銭的に余裕のある陣営が有利になります。
(そうならないように公選法で規定しているのに、法の目的に反してしまう)

「国家予算と関係ないだろ!」と思われるかもしれませんが、
今回の問題は政治に関わる我々としてはたいへん大きな問題で、
「うちわ」の配布を認めると、低額ならば買収はOKということになり、
民主主義の根幹を揺るがす恐れがあります。
私の解釈が正しいとは限らないので、
ぜひ司法の場で結論を出して欲しいと思っています。

P.S
上記の程度の話は、
基礎自治体議員でも、候補予定者でもだいたい知っている基礎的な話です。
これを、長年に渡って国会議員をしてきた法務大臣殿が、
危機意識を持たずに配布していたということが驚きです。

1:54 2014/10/10